当科について

沿 革

 現在の東大病院呼吸器内科は教授1名、講師3名、助教8名を含め約50人ほどのスタッフが所属しています。このうち海外、国内他施設への研究出張者を除いた約20名で東大病院における呼吸器診療に当たっています。
 呼吸器内科の入院症例は平成10年の内科再編に伴う発足当時は25症例程度であったのが、最近は40症例を超える状態が続いています。疾患別では、今や難治癌の代表ともいえる肺癌が6、7割を占めており、エビデンスに基づいて、症例毎に適した化学療法・放射線療法・手術療法を組み合わせた集学的治療を呼吸器外科、放射線科と協力しながら積極的に行っております。また、その他各種呼吸器感染症、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、気管支喘息・過敏性肺臓炎などのアレルギー性肺疾患、急性呼吸不全・慢性呼吸不全急性増悪など多彩な症例を日夜診療しております。


教授挨拶

 東京大学医学部附属病院 呼吸器内科のホームページにいらして頂きありがとうございます。

患者さんやご家族へ

 呼吸器内科は、気管支、肺、胸膜、縦隔におきる病気を診断して治療する科です。気管支喘息、肺炎、肺癌、間質性肺炎、COPD、肺結核などよく知られている病気を診ることが多いですが、まれな腫瘍、感染症、免疫性疾患なども多くあります。患者さんは咳、痰、息切れなどの症状をきっかけに病院を受診する場合と、胸部レントゲンや胸部CTなどの画像検査で異常を指摘されて受診する場合があります。私たちは、一般のクリニックや病院では診断や治療が難しい呼吸器の病気に力を入れています。また、呼吸器の病気は治すことが難しい場合も多く、どのように病気と共に生きていくのか、患者さんやご家族と相談しながら方針を決めることを大切にしています。大学病院として、若手医師の育成や、新しい治療の開発のために協力をお願いすることもあります。

若手医師の皆さんへ

 呼吸器内科の魅力は守備範囲の広さです。腫瘍も、感染症も、免疫も、線維化も学べます。画像診断に強くなり、抗菌薬の使い方が分かり、患者さんと良いコミュニケーションが取れるようになります。気管支鏡や胸腔ドレーンの挿入など特殊な手技ができるようになりながら、患者さんと話をする時間も確保できます。 東大病院の呼吸器内科でトレーニングを受ける意義もあります。最近はどの分野でも分子生物学が治療に反映されるようになり、肺癌に対する分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬、気管支喘息に対するバイオ製剤、間質性肺炎に対する抗線維化薬などについて、臨床試験の結果だけでなく、背景知識を知っていると応用が利きます。臨床をしっかり学んだあとに大学院で研究に取り組むことを勧めており、留学も良い選択肢です。私たちと働くことに興味がありましたら是非ご連絡ください。

ご紹介頂く先生方へ

 東大病院の呼吸器内科では、東大病院の目標である「患者の尊重」「安全」「先端的医療の開発」「教育」のすべてに力を入れています。大学病院なので、複数の病気を抱えている患者さんに対して、診療科間で連携して高いレベルの診療を行うことができます。中でも東大病院ががん診療連携拠点病院でがんゲノム医療中核拠点病院であり、また肺移植実施施設であることが特色です。

 患者さんを第一に、呼吸器疾患の治療の発展を目指して歩んでまいります。
 どうぞよろしくお願いいたします。

東京大学医学部附属病院 呼吸器内科 科長 
東京大学大学院医学系研究科 呼吸器内科学 教授 
鹿毛 秀宣